【森博嗣エッセイ】新作“集中力はいらない”を読むと集中力が湧いてくる

森博嗣の最新エッセイ、集中力はいらない、を読んだ。


集中力はいらない (SB新書) [ 森 博嗣 ]



熱心にこの著者の作品を読んでいる読者には、目新しいことはあまりないだろう。
私もそうである。
多少の言葉の使い方の違いはあるが、どこかで読んだことが非常に多い。

ただ、集中力、アンチ集中力にトピックを書かれた著作はないので、こういう形で体系化(体系化しないようなだらだらとした書き方をしているが)されて読めるのはありがたい。
単発の文庫や新書2ページ程度のエッセイだと、そのトピックに非常に共感しても、”あ、その通りだな”と思うだけでそれ以上深く考えるということは少ない。
1冊が同じテーマで語られると、そのトピックへの思考を深められる。

そして、この本では、特に思考が深められた。
読んでいると、つい、
 自分の日々の行動を振り返ってしまう。
 自分の日々の考え方を振り返ってしまう。


こんな風に思考を誘ってくれる本は、少ない。

多くの本は、
ただある事実を教えてくれる。ただ、分析や事実の根拠は弱いものも多い。
そんな考え方ではダメで、こうあるべきだと説教してくれる。


こういう本に、つい依存したくなる。手に取ってしまう。
結論と役に立つことだけ、面白いことだけを読もうとする。

そういう本から思考力を得ることはない。

この作品は、あえて集中しないことで、人間が本来もつ力を発揮させていこうと説く。


その主張を伝えながら、自然とこちらに脱集中力を促して、様々な思考を誘ってくる。
そして、思考停止に陥ることなく、一つ一つの問題を丁寧に考えることの重要性とその力を教えてくれる。
著者にのせられて、そのような思考を続けてしまう。
そして、その思考に私は集中してしまう。
集中力はいらなくて、アンチ集中力のはずなのに。
森ミステリィである。

発想を生むのはリラックスしているとき、SNSは一切やらない(情報のシャワーとのかかわり方)など、参考になる事実も含まれている。
そこだけをとっても大いに参考になる。
しかし、それだけではもったいないだろう。
思考することのきっかけを教えてくれる本だから。

本日(2018年3月27日)現在、Amazonのkindleストアでは210位である。
非常によく売れているようだ。
本がなかなか売れないといわれる時代にあっての、著者の人気を再認識した。

来月は、読書の価値が発売される。

読書の価値 (NHK出版新書) [ 森博嗣 ]


こちらも楽しみである。

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